レレレのおじさん

前回にひきつづき天才バカボンです。連載の途中から魅力的な「レレレのおじさん」が毎回登場するようになりました。彼はいつもきものを着て下駄をはいて通りを掃除しています。彼は人が通りかかるといつも「おでかけですか、レレレのレー?」と声をかけます。...

これでいいのだ

50年ほど前、少年向け週刊雑誌に人気マンガ「天才バカボン」が連載され私も楽しく読んでいました。ギャグ満載の内容ですが、毎回事件が落着すると、バカボンのパパが、「これでいいのだ」と締めのことばを言います。必ずしもハッピーエンドでない場合にもです。このことばは仏教者にとって、ブッダの大事な教えに聞こえます。ブッダは、人生は苦である、と言いました。人が体験することは必ずしも思うようにいかないことから来るつらさを意味しています。それに対して、ものごとをあるがままに受け止めることができれば、苦から開放されるのです。「これでいいのだ」は悟りを表し...

おかげさまで

日本では、他の人から祝福のことばをかけられたときに、返礼として、「おかげさまで」と答えることがしばしばあります。例えば、学校に合格した、就職が決まった、結婚することになった、病気から回復した、ときなどです。声をかけてくれた人が、これらの幸運をもたらすために直接支援してくれたのであれば、幸運はあなたのおかげです、と感謝していることになります。ところが、直接の支援がなかった場合にも、祝福のことばに対する感謝として「おかげさまで」と言います。何の/誰のおかげか、はっきり言わずに感謝するのです。...

ティク・ナット・ハン師

ティク・ナット・ハン師が1月22日、95歳で亡くなられました。 現代の偉大な仏教指導者の一人で、彼の教えは世界中の多くの人々の心に届きました。 彼も華厳経のインドラ網の教えを説きました。一人ひとりが独立した存在ではなく、   他の人々、動物、植物、その他宇宙のすべてのものとつながりの中で生きていることを、「Interbeing」と表現しました。I amではなく、I inter-am、We areではなく、We inter-areなのです。人は死んでも花の中に、雲の中に、また皆の心の中に生き続けるのです。...

インドラ網と私のひらめき

仏教はブッダ(お釈迦様)に始まりましたが、その後次第にインドからアジア各地に伝わりました。その過程で、それぞれの土地の伝統的な信仰や習慣の影響を受けて、様々に進化してきました。特にインドでは、バラモン教の神々を仏教の守護神として取り入れてきました。その代表が英雄の神であるインドラすなわち帝釈天(たいしゃくてん)です。その玉座はインドラ網と呼ばれる無限に広がる網で覆われています。その網の結び目には宝石がつけられていて、その光は他のすべての宝石に届き、またそれぞれの宝石には他のすべての宝石からの光が映っています。...